地方再生とペンションのこれから

[ はじめに ]
今 政府や自治体のホームページを覗くと、全てに出ているキーワードが「地方再生」と観光政策です。しかし、「地方再生」には具体的な施策はすべて示されることはなく、観光行政に至っては外国人の取り込みに重点を置いたものばかり。実際に経営難で苦しんでいる中小の宿泊施設や観光関連業者は置いてきぼりの状況が続いています。

だからといって何もせずにいれば、自然淘汰されてしまいます。まだまだ日本には、ペンションの愛好者が数多く存在していることも事実です。私たちは、その方たちと一緒にペンション業界を盛り上げる方法を考えていければ幸いです。

では、今のペンションの状況はどうなっているのでしょう?

すでに大型宿泊施設の経営難が叫ばれて久しいですが、この十年で有名観光ホテルや老舗の旅館が倒産や廃業に追い込まれたことは周知のとおりです。そして、その流れは一向に止められず、中小のホテル旅館にまで押し寄せています。ペンションの利用者数の減少は、数字の比較以上にその経営にダメージを与えています。元々、同族経営が多く経営基盤が脆弱であるために、僅かな数字の落ち込みが影響してしまいます。しかし、一方で関係行政の対策は、ほぼ無策といった状況で、観光庁の施策にすらペンションの文字すら出てこない始末。まさに、竹中平蔵の大企業優先政策の付けが回された典型的な業種となってしまったようです。派遣事業者から高額な報酬を受け取っていて、派遣事業を推進する政策を打ち出した一方で、大企業の正規社員の首を切らせたやり方が、そのまま中小零細の観光関連業者にも当てはまった形でしょう。

通常、このやり方には救済のための支援策が用意されていなければなりません。しかし、残念なことにどの行政のサイトを見ても救済措置の項目は見当たりませんでした。

その結果、トップシーズンだけを開店させるペンションが続出しています。しかし、このケースはまだ良い方です。都会に自宅を所有している経済的に余裕がある人たちだからです。一方で、全ての資産を叩いて都会から田舎のペンションに引っ越してきた経営者の皆さんにとっては、まさに死活問題なのです。

[ どのようにして生き残る・・・? ]
ペンションの形態としては、大きく分けて3つに分類します。

オーナーが料理人(特に西洋料理が多いと思いますが・・)のオーベルジュ風、次に退職金を原資に独立開業型、そして都会やサラリーマン生活からの所謂脱サラ型です。

この分類に異議を唱える経営者の皆さんも多いかとは思いますが、取り敢えずご了承下さい。

また、これは今後の経営安定化のための基本的なスタイルにも大きな違いが生じることにもなる重要なファクターにもなります。

オーベルジュ風ペンションとその他の戦略

オーベルジュ風ペンションはレストランとしても充分機能しているので、経営戦略上はそのMR次第で充分勝てるはずです。一方で、他の2つのケースはこれからも苦戦を覚悟しなければなりません。そこで、これから私たちは、オーベルジュ風のケースへの提案は後ほどとして、この2つのケースの経営者の皆さんへの提案をしたいと思います。

[ 独立開業型 ]

退職金を元手にペンションをはじめる方は、全盛期に比べれば少なくなってはおりますが、今も後を絶ちません。その理由は何か。先ず、ペンション販売業者の存在でしょう。都会の喧騒を離れて老後の生活を悠々自適なペンションライフを夢見ている老夫婦への誘い。そして、既に子育てを終えて、夫婦水入らずでの生活設計を楽しみにしている生真面目なご夫婦。恐らく、そこには何の不安も悩みも存在しなかったはずです。「退職金とそれまでの蓄えがあれば、どうにかやっていけるはず・・・」誰もがそう思うに違いありません。
しかし現実は、業者の説明にはなかった様々な苦難が待ち受けています。
その一番大きな難問は、「集客の難しさ」です。
今まで、大手企業でのサラリーマンや公務員生活が長かった方たちには、「営業」というものを漠然と理解していても、現実に向き合った経験など皆無と言って良いのではありませんか。当初は、業者がサポートしてくれるなどと、甘く認識していたひとも数多い。特に、近年の宿泊業の営業手段はインターネット旋風が吹き荒れ、予約サイトが主流となり、大手旅行代理店のカウンター営業だけでなく旅行専門雑誌なども苦戦を強いられています。この「営業」の難しさは、70%以上のペンションを赤字経営へと追い込んでしまっている。ただ救いがあるとすれば、借金をして開業していないということでしょう。

 

[ 脱サラ 型 ]

ペンション経営者の問題が一番厳しいのが、このタイプ。先ず、開業時、3番と同様に業者の説明会などにも積極的に参加し、資料も色々と収集して、入念に検討を重ねて開業に踏み切った人たちです。ある意味で、一番頑張ってもらいたいタイプでもあります。

ただ、このタイプの最大の問題点は、開業時にその資金の30%から70%を借り入れでスタートしていることです。恐らく業者からの説明には、改装すべき年次サイクルの件や経年劣化に伴うメンテナンス費用のことなどは、一切聴いていないのではないでしょうか。

そして、上記と同様に「営業」の難しさに直面し、返済どころか累積の赤字に苦しむことになるのです。

[ 対策はあるか? ]

先ず、脱サラ型の累積赤字の問題は複雑で難しいので最後に回し、ここでは共通の課題である「営業・集客」の強化策について考えたいと思います。

近年の傾向は先にも述べましたように、WEB予約サイトの利用率を上げなければ集客はおぼつきません。特に、旅行代理店のカウンターーデスクが減少し、旅行雑誌の集客力も大きく減退していることからこの傾向は顕著です。しかし、このサイトの活用のためには、新たなネットに関する知識を習得したり、使いこなすことが求められます。しかも、ネットの世界はどんどん変化し、進化しています。これを克服するのは並大抵の努力では追いつきません。

では、どうすれば良いのでしょう?  →以下追加です。

キーワードは、「コンテンツ力」と「情報発信力」です。

「コンテンツ力」とは、一般に言われるものとは違い、ペンションそれぞれの持つオリジナリティーを言葉や写真などに変換したものです。また「情報発信力」もメールやSNSなどの広告要素だけを指しているわけではありません。各ペンションそれぞれのターゲットへの情報提供力を指しています。

しかしこれらは、情報の収集能力や加工能力、そして毎日の地道な更新作業ができていることが前提になります。大資本の安売りホテルなどと競争している以上は、彼らより優っている訴求ポイントを少しづつでも確実に提供し続けることが求められています。

もし時間が取れないのであれば、先ずご自分たちは、このコンテンツの創造と情報の収集に力を結集し、細かな更新作業は専門業者に委託する方法もお薦めします。そして、少しづつ慣れていくことで、WEBを近い存在にすることも可能でしょう。数年後にはご自分たちで全てをハンドリングすることで、「楽しい」と感じていただけるはずです。

そして、その向こうに確かな成果が見えてくるはずです。

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